【初心者向け】マーケティング戦略の分析手法⑥選‼︎
こんにちは。SHOです!
あなたはマーケティングと聞いて、何を思い浮かべますか?
人によっては広告宣伝・プロモーション・リサーチ・データ解析・売り込みなど、捉え方は色々あると思います。
そこで、今回は『マーケティング戦略の分析手法』を基に、マーケティングの基本から活用方法について解説していきます。
事業を行う上でマーケティングの知識は必要不可欠なので、しっかりと理解して活用していきましょう!
マーケティングとは?
そもそもマーケティングとは、どのような意味があるのでしょうか。
ウィキペディアを調べてみると、このように書かれています。
マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。 wikipediaより
ちょっと難しいので、少し分かりやすくするために世界的に有名な「現代経営学」や「マネジメント」の発明者であるピーター・ドラッガーの言葉を引用させてもらうと、
『マーケティングの理想は、販売を不要にすることである』
と提唱しています。
つまり、“マーケティングとは、営業しなくても商品が売れる仕組みを作る”ということです。
そのためには、顧客が何を欲しているか?何に価値を認めるか?何を望んでいるか?を知らなければいけません。
「顧客に直接聞く!」というのも一つの方法ですが、実際に顧客がその答えを必ずしも持っているわけではありません。
そこで用いるのが『マーケティング戦略のフレームワーク』です。
これを用いて、さまざまな視点から分析することで事業の戦略を立てて、より多くのお客様に自社の商品やサービスを届けられる確率をあげることが出来ます。
また、この分析を行うことが事業を継続していくためには、とても重要になります。
ビジネスにおける戦略と戦術の違い
この戦略と戦術を区別しないまま経営してる方も多いのではないでしょうか。
今後マーケティングを行って事業を継続させていくには、この2つを理解することが重要になるので、まずはしっかりと区別していきましょう!
戦略とは?
準備や計画を行い、目的を達成するための進むべき方向を考えることです。
つまり、「何をすれば成果が出るのか?」「何をすれば儲かるのか?」などを考えることを言います。
戦術とは?
成果を出すために行動や方法を改善したり、業務の効率化を図るための具体的な方法のことです。
❗️ポイント❗️
事業を継続して成長させるには、まずは戦略=目的(Purpose)を立てて、それを達成するために戦術=方法(How To)を考えて実行する。
マーケティング戦略を考えるときの分析方法
STP分析
市場のニーズや自社の商品、サービスの立ち位置を分析して戦略を考える手法
Segmentation(セグメンテーション/市場細分化)とは
事業を行う上で、新商品やサービスを展開するために、似たようなニーズを持つ顧客を層に分けて考え、市場を細分化することです。
最も重要なポイントは「利用してもらいたい顧客(ユーザー)を明確化すること」です。
ここで一般的に用いられる指標をご紹介します。
①人口統計的変数(デモグラフィック)年齢・性別・家族構成・学歴・職歴など
②地理的変数(ジオグラフィック)国・市町村・気候・文化・宗教など
③心理的変数(サイコグラフィック)ライフスタイル・価値観・性格・購入動機など
④行動変数(ビヘイビアル)購入頻度・使用用途、買い替えのタイミングなど
その他の有名な指標『6R』
・有効な規模(Realistic scale)
・優先順位(Rank)
・成長率(Rate of growth)
・競合(Rival)
・達成可能性(Reach)
・測定可能性(Response)
Targeting(ターゲティング/狙う市場の決定)とは
細分化された市場の中から狙う市場を決定すること
ここで一般的に用いられる方法をご紹介します。
①集中型マーケティング
一つ、もしくは少数のセグメントをターゲットにして、そこに集中すること。
優位性を獲得しやすいのでコストを抑えることができるが、市場規模によっては利益を上げることが難しかったり、市場の縮小や消失などのリスクがある。
(熱狂的な支持者がいる企業が用いる方法)
②分化型マーケティング
複数のセグメントに異なるマーケティングを行なうこと。
顧客のニーズに応えやすく安定しやすくなるが、コストがかかるリスクがある。
(多くの企業が用いる方法)
③無差別型マーケティング
市場全体に同じ商品やサービスを提供して、同じマーケティングを行うこと。
全て同じアプローチを行うことでコストは抑えられるが、顧客のニーズに細かく対応できないリスクがある。
(大手企業が用いる方法)
Positioning(ポジショニング/自社の立ち位置の明確化)とは
競合の商品やサービスを分析して、自社の立ち位置を明確化すること
そこで必要になるのが、品質・価格・店舗数・技術などの比較指標です。
あまり多くの指標で行うと情報過多になり分析が曖昧になるので、まずは3〜4つ程度から始めるほうがいいでしょう。
このポジショニングを行なうことで、ブルーオーシャン(競争のない市場)に進出することができますし、レッドオーシャン(競争の激しい市場)でも他社と差別化すれば利益を上げることができます。
❗️ポイント❗️
STP分析を行うメリット
①顧客やニーズの分布を細分化して、整理することができる。
②他社との競合を避けることができる、
③自社のプロモーション戦略を明確化することができる。
*セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3つは全て連動していますので、分析はどこから始めても結果には大きく影響しません。
分からない方は、顧客(ユーザー)全体を把握するためにもセグメンテーションから分析することをオススメします!
PEST分析
マクロ環境の影響を考えてマーケティング分析をする手法
Political(政治面)・Economic(経済面)・Social(社会面)・Technological(技術面)から経営戦略や事業戦略を考えていく上で役立つフレームワークの代表的なものです。
自社を取り巻くマクロ環境(外部環境)が、現在から将来にかけてどのように影響を与えるかを把握・予測することができる。
ここで重要になってくるのが、常に世の中の「変化」に注意することです。
世の中の流れやトレンド、変化を掴み、営業戦略をとることが、その業界で生き残っていくにはとても大切です。
経営戦略に活かすために、「3C分析」や「SWOT分析」に落とし込んで分析する方法が一般的です。
また、マクロ環境の分析は海外進出を行う際にも活用できます。
❗️ポイント❗️
マクロ環境とは
事業の外部環境のうち企業ではコントロールできないもの。
つまり、業界内の各企業とは無関係に起こっているもの。
(政治・経営・社会・技術などの環境)
ミクロ環境とは
企業周囲の環境のうち比較的コントロールできるもの。
大きく市場と競合に分けられる。
(市場規模・成長性・競争状況・流通チャネル・顧客動向など)
4P分析
商品の観点からマーケティング分析考える手法(別名:マーケティング・ミックス)
Product(製品)どんな商品・サービスを?
顧客にとって価値ある商品やサービスを企画・開発すること。
Price(価格)いくらで?
元々適正価格が決まっていない中で、顧客のニーズに見合ったものだけではなく、しっかりと利益を出せる適正価格を決めること。
Place(流通)どういった経路で?
顧客のもとに自社の商品やサービスをスムーズに届けるための流通経路を確保すること。
Promotion(販売促進)どう知らせるか?
自社の商品やサービスをより多くの見込み客に周知させて、ニーズを喚起する広告施策を考えること。
❗️ポイント❗️
4つの視点からターゲット市場を分析することで、自社の課題や強みを分析して具体的な施策を考えることができる。
そのために、自社と競合他社の両方の立場から考えること!
4つの視点(4P)のバランスや組み合わせを考慮して、施策や販売促進を考える。
例えば、「製品× 価格」「流通× 販売促進」など。
マーケティングの課題を見つける時に用いる手法
4C分析
顧客視点から製品について考える分析手法(別名:マーケティング・ミックス)
Customer Value(顧客価値)
消費者が商品やサービスに求めている価値のこと。
この事業によって顧客がどのようなベネフィット(未来像)を実現できるかを考える。
Customer Cost(顧客コスト)
消費者が商品やサービスを得るための金銭面や時間などのコストのこと。
カスタマーバリュー(顧客が得られる価値)に見合ったものが提供できるかどうかを考える。
Communication(コミュニケーション)
消費者と企業との間でのコミュニケーションのこと。
顧客とのコミュニケーション方法として、電話・メール・DM・SNS・カスタマーサービスなどをどのように活用するかを考える。
Convenience(利便性)
商品やサービスを得るための利便性のこと。
顧客が出来るだけ早く、効率的に商品やサービスを受けられるかを考える。
❗️ポイント❗️
基本的に4Cと4Pは同時に分析するほうが、より優位にマーケティング戦略を立てることができます。
この2つの違いは“ 視点 ”です。つまり、4P=企業側・4C=顧客側ということです。
そのため、
Product(製品)→ Customer Value(顧客価値)
Price(価格)→ Customer Cost(顧客コスト)
Place(流通)→ Convenience(利便性)
Promotion(販売促進)→ Communication(コミュニケーション)
というように、繋がりで考えましょう!
3C分析
自社の事業が位置するビジネス環境を分析して事業戦略を考える手法
Customer(市場・顧客)
マクロ分析・ミクロ分析・顧客分析を用いて分析していきます・
①マクロ分析
景気変動や法改正、人口流動、流行などの社会的な変化を見つけ出すために行います。
②ミクロ分析
業界構造の変化から自社ビジネスへの影響(利益の確保など)を検討します。
③顧客分析
マクロ分析やミクロ分析から得た情報から、商品やサービスに関わる顧客の動向を分析して、顧客の価値観やニーズにどのくらい影響を与えるかを検討します。
Competitor(競合)
「競合企業のビジネス結果」・「その結果が出た理由」の2つから分析していきます。
①競合企業のビジネス結果
・ビジネスの結果
競合の売り上げや利益率、広告費などの販売管理費用を分かる範囲で調査する。
・結果を出したリソース
競合の資本が効率よく使用されているかについて、1店舗あたりの売り上げや客単価などを調査する。
②その結果が出た理由
製品開発や販売ルート、営業方法などをさまざまな側面から分析することで、売り上げやリソースの効率を明確化していきます。
そこから、自社で取り入れるべき仕組みや差別化を図るポイントを検討していきます。
Company(自社)
市場分析や競合分析をまとめて、市場の変化や競合の動向などに対して自社の取るべき方法を分析します。
ここでは、「SWOT分析」を活用するといいでしょう!
❗️ポイント❗️
ビジネスの基本である3C分析を行うことで、事業の方向性を見出すことができます。
いくつも存在する施策の中から最も効率的な方法に資源を集中させて、顧客に選ばれ続けて売り上げや目的を達成するためにも3C分析を上手く活用しましょう!
SWOT分析
外部環境、内部環境からマーケティング分析を行い事業戦略を考える手法
Strengths(強み)
目標達成に貢献する企業内部の強み
Weaknesses(弱み)
目標達成の障害となる企業内部の弱み
Opportunities(機会)
新規参入の機会
Threats(脅威)
目標達成の障害となる外部の脅威
*クロスSWOT分析*
①S × O(強みと機会)
強みと機会を最大限に活用して何ができるか。
②S × T(強みと脅威)
強みを活かして脅威をどのように克服できるか。
③W × O(弱みと機会)
弱みの影響で機会を逃さないために何ができるか。
④W × T(弱みと脅威)
弱みと脅威が重なった時にどのように危機を回避できるか。
❗️ポイント❗️
SWOT分析を用いて、機会を拡大させたり脅威から自社を守るために、強みを活かして弱みを補うことが重要です。
また、クロスSWOT分析を行うことで、考えるべき戦略が整理できます。
特にS × O(強みと機会)は最高のチャンスですので、ここから考えるといいでしょう!
オススメの本
確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド
最後に
今回は『マーケティング戦略の分析手法⑥選‼︎』ということで、初心者向けに解説していきました。
このテーマは決して“ 企業・部署・個人 ”に関わらず、全ての人に役立てることができます。
これは、「社会に出たら数学の難しい式は使わない」が、「その式から答えを導き出すまでの考え方や方法などは、実は社会に出た時に役立つ」と言われているのと同じだと思います。
これからの時代は『個の時代』と言われていますが、このマーケティング戦略での考え方は、これから起業して独立する方やフリーランスとして事業を行う方はもちろん、個人としての生き方などにも使えるものだと思います。
さまざまな視点から物事を考えることは、これからの時代を生き抜くためにはとても重要なことだと思いますので、ぜひ上手く活用してもらえると幸いです!
次回は、『マーケティング戦略の手順』として実際の成功例などを含めて、初心向けに解説していきます。
お楽しみに!
Best Wishes ‼️