【初心者向け】マーケティング戦略の実践方法《 R-STP-MM-I-C 》
こんにちは。SHOです!
今回は『【初心者向け】マーケティング戦略の実践方法 』について解説していきます。
あなたの事業を継続して発展させるには、このマーケティング戦略をしっかりと行うことが最も重要なテーマだと思います。
別の記事【初心者向け】マーケティング戦略の分析手法⑥選‼︎ - Lifeonce.Japanのブログで基本的な分析手法を解説しました。
今回はその知識を用いて、実際にマーケティング戦略の手順に沿って、僕と一緒に考えていきましょう!
マーケティング戦略のステップ『R-STP-MM-I-C』
マーケティング戦略の手順で最も有名なものは、“現代マーケティングの父”と呼ばれている経済学者のフィリップ・コトラーが提唱した『R-STP-MM-I-C』という5つのステップに分けた方法です。
これは、Research - Segmentation・Targeting・Positioning - Marketing Mix - Implementation - Control の略で、マーケティング戦略の基本になります。
①Research(市場調査)
まず最初のステップとしては、市場調査を行います。
調査せずに市場に参入することは、とても危険なことであり、その後の活動に大きく影響されるので、怠らずにしっかりと調査していきましょう!
ここで用いる分析手法は、
3C分析/PEST分析/SWOT分析/5フォース分析
また、市場は大きく分けて、マクロ環境・ミクロ環境の2つに分類できます。
詳しくはこちらをご参照ください
【初心者向け】マーケティング戦略の分析手法⑥選‼︎ - Lifeonce.Japanのブログ
②STP分析
・Segmentation(市場細分化)
・Targeting(狙う市場の決定)
・Positioning(自社の立ち位置の明確化)
ここでは市場調査(Research)を行った後に分析していきます、
狙うべき市場の細分化(Segmentation)・市場の決定(Targeting)・自社の立ち位置の明確化(Positioning)を考えていきます。
この3つは全て連動していますので、分析はどこから始めても結果には大きく影響しません。
分からない方は、顧客(ユーザー)全体を把握するためにもセグメンテーション(Segmentation)から分析することをオススメします!
詳しくはこちらをご参照ください
【初心者向け】マーケティング戦略の分析手法⑥選‼︎ - Lifeonce.Japanのブログ
③Marketing Mix(マーケティングミックス)
マーケティング戦略を立てたら、次は戦術的プロセスを考えていきます。
Marketing Mix(マーケティングミックス)で商品・サービスのパッケージ、価格設定、流通方法、宣伝方法などを決定します。
ここで用いる分析手法は、
4P/8P/4C
詳しくはこちらをご参照ください
【初心者向け】マーケティング戦略の分析手法⑥選‼︎ - Lifeonce.Japanのブログ
④Implementation(実施)
マーケティングミックスで決定したことを実施(Implementation)していきます。
Who(誰が)/When(いつ)/Where(どこで)/What(何を)/Why(なぜ)/How(どのように)
*海外版フレームワーク*
日本ほど多くはないものの、欧米先進国でも5W1Hの派生系フレームワークがいくつか存在します。
5W
5W1H(What → What if/Who → Whom)
6W(=5W1H)
5W2H(5W1H+How much)
5Whys(Why - Why - Why - Why - Why)
Golden Circle(Why - How - What)
詳しくはこちらをご参照ください
【初心者向け】マーケティング戦略における5W1Hとは?困ったらコレを使おう! - Lifeonce.Japanのブログ
⑤Control(管理)
マーケティング活動が効率的に行われているかを検証し、維持や改善を行います。
主にコントロールを行うものは、
・年間計画コントロール
売上分析、市場シェアなどの分析
・収益性コントロール
商品、サービス、顧客、地域、セグメント、チャネルなどの収益性の分析
・効率性コントロール
広告、販売促進、流通などの効率性の分析
・戦略コントロール
マーケティング、効率の見直しなど
❗️ポイント❗️
マーケティング戦略として、『R-STP-MM-I-C』のステップは必須です!
まずは、戦略的プロセス『R - STP』で企業のミッションや具体的な目標達成のために、長期的なプランを立てましょう。
その後に、戦略を具現化するための方策として、戦術的プロセス『MM - I』を用いて価格の設定や流通方法、宣伝方法などについて決定し、実施します。
そして最後に、戦術的プロセス『C 』で検証をして、その改善を管理します。
この流れはマーケティングの基本になるので、しっかりと抑えていきましょう!
PDCAサイクルとOODAループの使い分け
マーケティング活動を管理する際に、実施して終わりではなく、その結果を検証・改善して次のアクションに活かしていくことが最も重要になります。
そこで用いるのが、『PDCAサイクル』や『OODAループ』になります。
以前は「PDCAを上手く回せ!」と言われていました。しかし、近年は先の読めない状況の中で、より早く!より結果を出す!ために、新しく「OODA LOOP(ウーダループ)」というものが出てきました。
最近はPDCAは古く、AI時代はOODAだ!といった議論がされていますが、決してPDCAよりOODAの方が優れている。ということではないと思います。
まずはそれぞれの特性を理解して、あなたの事業に活かしてください!
PDCA サイクルとは
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の4段階を繰り返すこと。
Plan(計画)
目標を設定して、そのために何をするのか「仮説」を立て、施策をプランニングします。
Do(実行)
計画をもとに施策を実行します。
Check(評価)
計画で設定した各指標(KPI)が計画に沿って施策が展開されているかを検証します。
Action(改善)
評価の中で見えてきた課題から、解決策を考え、対処を行います。
OODA ループとは
Observe(観察)→ Orient(情勢への適応)→ Decide(意思決定)→ Action(行動)→ ループ(フィードバック)によって、健全な意思決定を実現すること。
Observe(観察)
現場を客観的に観察して、判断する前に情勢を整理します。
Orient(情勢への適応)
観察によって得た「生のデータ」から、分析や新しい情報、これまでの経験を通じて、現在の情勢を整理します。
Decide(意思決定)
情勢判断によって得た仮説に基づき、論理的な意思決定を行います。
Action(行動)
意思決定によって決定された方針に従って実行、もしくは仮説が正しいかどうかの検証を行います。
ループ(フィードバック)
再び「観察」段階に戻り、行動の結果を判定して、次の「情勢への適応」を続ける。
❗️ポイント❗️
『PDCA』は環境の変化がないという前提が成り立てば有効なものになります。
つまり、人間的な側面を排除し安定した環境が前提になります。
元々は工場で生産などの業務と製品を継続的に改善するための統計的品質統制(SOC:Statistical Quality Control)の方法です。
なので、安定した環境で、かつ心理や感情など人間的要素を無視できる世界では有効です。
『OODA』は想定外のことが起こるVUCA(Volatile 不安定で・Uncertain 不確実で・Complex 複雑で・Ambiguous 曖昧な)世界を前提にしています。
つまり、メンタルや感情など人間的な側面を重視しますので、想定外のことが起こる状況でも有効です。
また、経営の領域でPDCA サイクルが使われているのは日本だけで、世界の先進企業ではOODA ループを使っています。
成功事例『4P分析戦略 - スターバックス - 』
基本のコンセプトとして「サードプレイス=第3の場所」としているのは有名ですね。
サードプレイスとは、「家庭と職場の間にある第3のくつろぎの場所」という意味があり、手の届く贅沢を提供する場所です。
スターバックスでは、地に足のついたローカルな空間や、そこでしか手に入らない価値がある場所を目指しているそうです。
要は、スターバックスの商品は“コーヒー”ではなく、“スタバでの体験”であり、その体験の対価としてお金をもらっている。ということです。
また、スターバックスは日本進出当初に顧客の利用機会を以下の5つに設定しました。
・朝の儀式ともいえる日課の一部
・友人や家族と過ごす場所
・ビジネスマンが仕事の延長で気軽に交流を深められる場所
・自分へのご褒美として、美味しいドリンクを求める場所
・煩わしい雑事から逃れて、リラックスできるひとときの場所
これらを含め、スターバックスの4P分析を紐解いてみましょう!
スターバックスの4P分析戦略とは
Product(製品)
店舗をコーヒーを売る場所としてだけでなく、友人との会話や読書、仕事などができる「サードプレイス」と定義した。
Price(価格)
1杯あたり300円台として、上質なコーヒーを提供するために競合他社と比較して高額に設定した。
Place(流通)
「Main &Main」と呼ばれる立地戦略を用いて、人々の往来の多い大都市圏を中心に直営店を出店した。
Promotion(販売促進)
広告宣伝をほとんど行わず、店頭看板やパブリシティ、口コミなどを通じてスタバのサービスに共感する顧客(ファン)の獲得に成功した。
そこで、ブランドロゴに社名を無くすといった「デ・ブランディング」を行って、街に溶け込み先進的なイメージを確立した。
「デ・ブランディング」には、
・企業らしさを控えめにすることで、顧客により身近に感じてもらう。
・ブランドが浸透しているタイミングで行うことで、新しさや先進的なイメージを伝える。
といった効果がある。
❗️ポイント❗️
2014年〜2017年にかけて約300店舗を急速に増やしていたスターバックスですが、店舗が増えるとともに顧客満足度が低下するという結果になりました。
しかし、品質や価格も大きく変化していないのに、なぜ低下したのでしょうか?
そのヒントは、スターバックスの「大衆化」にあります。
店舗が増えるとともに、利用者の変化が起きて感度の高い顧客層から、より一般的な顧客層へと広がりました。
それにより、いわゆる庶民層にとって「スターバックス=高いもの」と思われたというのが要因の一つだと考えられます。
また、この2つの層に分かれたことにより、
「大学生や中高年が多くて、うるさい」
「PCや本で長居していて迷惑だ」
など今までのユーザーと、新しいユーザー間で不満が出てきたことも要因です。
このように事業が成長してくると新たな問題は必ず出てきます。
そのとき、どのように軌道修正するかで企業の真価が問われますね。
オススメの本
コトラー8つの成長戦略 低成長時代に勝ち残る戦略的マーケティング (碩学舎ビジネス双書)
まんがで身につくPDCA (Business ComicSeries)
最後に
今回は『【初心者向け】マーケティング戦略の実践方法《R-STP-MM-I-C》』について解説してきました。
実際に自身の事業へ落とし込むイメージは出来ましたか?
PDCA サイクル や OODA ループ のように、今まで当たり前だったことも常に変化していきます。
このように経営していくなかで、さまざまな変化に対応していくには、基本を理解した上でしっかりと本質を捉えていくことが大切です。
個人や企業として一本の揺るぎない信念を持つとともに、どんな変化にも対応できる柔軟性を兼ね備えることが、これからの時代を生き抜くポイントになります!
僕と一緒に恐れず突き進んでいきましょう!!
Best Wishes ‼️